タイトルが設定されていません(仮)

Perfumeのことや雑記などを適当に。記事によって口調が変わるのは仕様です。

9年ぶりに横浜アリーナでPerfumeと再会した話

2009年10月14日

俺が初めてPerfumeと出会った日だ。

 「直角二等辺三角形TOUR」横浜アリーナ公演の初日である。

 

2018年12月

再び横浜アリーナPerfumeのライブが行われた。

待ち望んだ横浜アリーナでの公演。俺にとって一番特別な場所でPerfumeと再会した話を記録しようと思う。

 

f:id:Ishtc:20190108234616j:plain

 

 

ishtc.hatenablog.com

評判がよく、今でも懐古的な話題になるたびに多くの人が「直角二等辺三角形TOUR」の名を挙げる。

当時は意識しなかったし、今はもう比較することもできないが、ツアーも終盤となる横浜公演の完成度はきっと高かったのだろう。

その完成されたステージにただただ圧倒され、虜になり、9年たった今も俺の根幹をなしている。

 

Perfumeが登場した瞬間に感じた「Perfumeって本当にいるんだ」というあの日の想い。 

そして「こんなに楽しい空間があったんだ」というあの日の発見。

「目からウロコ」ってこういうときに使う言葉なんだなと思った。

「一生忘れない瞬間があるとすれば今なんだろうな」って瞬間が100回くらいあった。

とにかくあの日は16歳の俺にとって衝撃的すぎた。それはもう表現しきれないくらい。

 

あの日から人生が変わった。

あのときの感動を味わいたいから、またあの空間にいたいからライブに行く。

 

そんなことを思いながら高校を卒業し、人より多く大学受験を経験し、大学生になり、苦労しながら就職を決め、社会人になった。

気がつくと今日までに90回以上もPerfumeに会いに行っていた。

ishtc.hatenablog.com

 

でも2009年の「直角二等辺三角形TOUR」以来、一度もPerfume横浜アリーナでライブをすることはなかった。

武道館や東京ドーム、大阪城ホールのように何度も参戦を重ねた会場がある一方で。

幕張なんて何回行ったかわからないよね。

それらの会場が悪いわけではない。

どこの会場のライブでも、16歳のときに初めて感じた「楽しい空間」を毎回Perfumeは生み出してくれるし、「一生忘れない瞬間」も数えきれないくらい味わうことができた。

それがなかったら途中でライブ行くの辞めてると思うし。

 

でもやっぱり自分にとって一番特別な場所は横浜アリーナだから。わがままだよね。

初ライブの場所に思い入れがあるのは多くの人にとってもそうなんじゃないかと思う。多分この感覚をロジカルに説明するのは難しい。俺にはできない。

音が悪いとか、大きすぎて見づらいとか、会場自体の評判はあまり良くはないけど、そんなのは関係なかったんだ。

 

Perfumeがツアーのアナウンスをするたびに、横浜アリーナの開催がないことに落胆し、追加公演による発表を待った。でも「横浜アリーナ」の文字はなかった、一度も。

大人の事情なのか、あえて避けていたのかはわからない。

 

 

ちょっとくどいよね。

 

そんな思いを持ち続けながら迎えた2018年5月24日

P.T.A.発足10周年!! と5周年!!“Perfumeとあなた”ホールトゥワー』の千秋楽となった静岡公演でニューアルバム発売とツアーの発表がされた。

そのライブには参戦できておらず、TwitterのTL上で発表を知ることになる。

(ちなみに静岡どころか5月のホールトゥワーは全滅で一つも参戦できませんでした)

 

 

そこには確かに「横浜アリーナ」の文字があった。12月に2days。

待ちに待った瞬間だった。7ヶ月も先のことなのに心躍った。ずっと待ってた。

ツアータイトルの冠が“Second”から“7th”まで数を重ねるまでの間ずっと待ってた。

 

8月にリリースしたアルバム『Future Pop』を引っさげて、ツアーは9月から始まった。

俺は全公演行くことになるわけだが、ツアーを経ていく中でパフォーマンスの精度を高め、演出に変化を加え、曲が成長していくのを体感することになる。公演を重ねるごとに、大好きなアルバム『Future Pop』のことが更に好きになっていく。

再びPerfume横浜アリーナで完成度の高いステージを魅せてくれることを確信させてくれた。

確信以上の言葉があればいいのにって思うくらい。

 

そして迎えた2018年12月11日。ツアー14公演目。

平日の公演だった。

9年前は高校から向かった俺も立場は変わり、スーツで会社から向かう。

定時ダッシュを決めたとはいえ、横浜アリーナに到着するのは開演の30分くらい前だろう。

就職活動のときに近くまで来たことはあったが、横浜アリーナを訪れるのは9年ぶり。あの日以来だ。

そんなことを考えていたら新幹線はあっという間に新横浜駅に着いた。 品川-新横浜間を新幹線で移動するのはちょっと、いや、結構贅沢だ。

 

横浜アリーナは新横浜駅から徒歩10分くらい。

横浜駅から横浜アリーナへ向かう道を歩くだけで感傷に浸ることができる。

あの日も同じように高揚を抑えきれずに早足で向かっていた。

会場前の横断歩道、信号が青になった瞬間に横浜アリーナへ駆けていく小学生くらいの子供を見かけた。気分は一緒だ。

 

横浜アリーナに到着。9年前は当然一人だったんだけど、今は全国どこの会場でも知り合いがいる。一番の変化かもしれない。

 

開演まで時間もなかったので入場した。

入場して驚いた。だって本当に横浜アリーナだったから。タイムスリップしたと思った。

「FUTURE POP」と「直角二等辺三角形TOUR」はステージの構成が似ている。メインステージと花道があるだけ。

(直角二等辺三角形TOURではセンターステージが左右に分岐していたけどね)

2015年の「LIVE 3:5:6:9」やその翌年「COSMIC EXPLORER」などと比較すると、とてもシンプルだ。内容でも「FUTURE POP」には原点回帰を匂わせる演出があるが、このシンプルなステージの構成もその一端を担っていると感じる。

 

 感慨にふけっていたら場内アナウンスがはじまった。会場のボルテージは最高潮で、手拍子が鳴り響く。

9年間で何度も経験したが、やはりこの瞬間はたまらない。心拍数が上がる。

暗転してOPが始まると、Perfumeが姿を現した。

 

 

 

俺は9年ぶりに横浜アリーナPerfumeと再会した。

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

2日目のMC。

横浜アリーナでライブをするのが2009年以来9年ぶりということに驚く3人。当時は勢いが凄かったと笑顔の3人。頷く俺たち。

 

この日、かしゆかがいつもとは異なる「恒例の質問」をした。

 

「9年前にも(横浜アリーナへ)来てくれた人!」

 

なんとなくそんな話の流れだったから身構えていたとはいえ、嬉しくて思わず食い気味に返事してしまった。

本来の「恒例の質問」とは「今日初めてPerfumeのライブに来てくれた人!」という初めてライブに来た人が(特に一人だと)ちょっと返事するのに勇気がいるアレである。

「恒例」とだけあって、9年前も同じ質問をしてくれて、俺は少し躊躇ってから返事をしたのをよく覚えている。周りからの視線も感じた。

あのとき躊躇いを感じながらも勇気をもって返事した俺を褒めてあげたい。だって一度しかないことだから。

そんな一度しか答えられない「恒例の質問」にまた答えることができた。

 

9年ぶりに横浜アリーナかしゆかの「恒例の質問」に答えた瞬間だった。

 

 

ところで、今回の「FUTURE POP」の核となる曲は『天空』だと思っている。

Perfumeの3人からのメッセージが込められており、3人に対しても勇気を与えた曲であり、「完全なんて無いってわからずにいたころ=過去」を歌っている。ここまであえて使わずにいた言葉を使わせてくれ。最高にエモい。

 

 

 

でも、横浜アリーナで聴く『天空』は他の公演とは違うように聞こえたんだ。

 

天空の街へ 行こう 時を紡ぐ

 

サビに繰り返し出てくる「時を紡ぐ」という一節。

「紡ぐ」と言えば、「綿や繭を撚って糸にする」が本来の意味の動詞だ。

この「紡ぐ」に対して「時」を目的語に持ってきている。

「時を紡ぐ」=「過去と未来を繋げる」と解釈できないだろうか。

『天空』はPerfumeの過去を歌った曲だと先述したが、Perfumeはこの曲で過去と現在、そして未来をつないでいるのではないか。

ここで9年前に戻る。

奇しくも、9年前にPerfumeと初めて出会ったときの曲は「離陸」を意味する『Take off』だった。

 

あの日『Take off』した俺は今も『天空』を進み続けているのだ。今も旅の途中なのだ。

 

こじつけだと笑ってくれていい。妄想だと笑ってくれていい。

でも『天空』を聞いて思ったんだ。繋がっていると。あの日があるから今があると。

 

『Take off』と共に始まった旅がこんなに長くなるとは俺自身も思ってなかった。

 

年が明けて2019年になった。Perfumeと初めて出会ってから10年。

2019年も、そしてこれからも、Perfumeに魅了されてやまない俺の旅は続く。