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Perfumeのことや雑記などを適当に。記事によって口調が変わるのは仕様です。

映画『ちはやふる』<上の句>を見た感想(ネタバレ有)

TOHO新宿にてちはやふる見てきました。

帰りの電車内で暇なので感想を書きたいと思います。
 
ネタバレ含みます。
普段映画はほとんど見ないので的はずれな意見が多いと思いますがご容赦ください。

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ちはやふるは公開の3日くらい前から原作を読み始めて、単行本30巻まで一気に読んでから見に行きました。
 
もしかしたら原作が好きでファンである人ほどこの映画には不満を持ち、物足りなさを感じてしまうのかもしれません。
二部作の映画ということで、時間も限られていますし、原作のエピソードを全て詰め込むのは当然不可能です。そのため、いくつか原作とは異なる設定や時系列も入れ替わったりしている部分もあります。原作ファンであればあるほど、そこに違和感を持ってしまうでしょう。
そのため、逆に読んだことのない人のほうが楽しめるのかもしれません。
末次さんもそのような発言をしていますね。
 

 
そこは賛否あるのかもしれませんが、原作を読んでないと楽しめない!みたいな作品よりはマシなのかなと思います。
 
ただ、尺の制約があるのを考慮しても、やはり各キャラの背景の書き込みが薄かったのではないかと思います。
なぜそこでその行動をとるのか、なぜそれにこだわるのか。これらに対する理由、なんで?に答えきることができていない気がします。
 
たとえば、原作では1巻まるまる使って小学校編を描いていたわけですが、映画では回想が数回挟み込まれるだけになってしまっています。
 
なぜ千早があそこまでのかるたバカになったのか、なぜ新にあそこまでこだわるのか、新と太一の関係性、など。
千早と太一の人生を変えるまでの存在である新のエピソードや印象的なシーンが省かれていたのは残念でした。
思考と行動の根本的な原因と理由の描きこみが薄いから感情移入がうまくできず、全体的に物足りない印象になってしまうのでしょう。
 
もう1つ気になったのは、競技かるたにおいて誰がどういう理由でどのような武器を持っているのかが描かれていないこと。
千早の耳は天性のものであり、音になる前の音を聞いているという原田先生の解説
はありましたが、他のメンバーにはなし。
そもそもかるたで勝つにはこういう能力が必要でこういう戦略があるという説明がない。
肉まんくんや太一にはこういう武器や長所があるから強いみたいな説明がない。
こういう練習や特訓をしてきたから大会のあのシーンで活きたんだよという描写や説明が少ない。明確な勝利の要因がない。
ただ、合宿や大会の結果で落ち込むメンバーを初心者である奏ちゃんと机くんが励ますシーンはすごくよかった。ああいうのが好き。
他にも、決勝の北央戦、太一とひょろ君の運命戦で見せた太一の成長(素振りをするようになりお手つきを誘発)のようなものも好き。もっと欲しかった。
しかし、全体的に見ると勝負や試合に勝つには理由や要因が必要だと感じる自分にとっては物足りなかったです。
なんでそれで都大会勝ち上がれるの?と感じました。
普段少女漫画は一切読まない自分だからこその不満なのでしょうか。ターゲットにしている層はここらへんに拘りがないのかもしれませんが残念でした。
 
原作の色々なエピソードを込めようとして改変もしたけど全体的に薄い、みたいな感じでしょうか。
もっと切り捨てるところは切り捨てたほうが見ている側は納得するのではないかと。
更に偉そうなことを言わせてもらうと、全体的に淡々としていてメリハリがない。ドキュメンタリーじゃないんだから。このシーンを、この部分を強調したい、伝えたいというのがよくわからなかった。もしかしたらここら辺は下の句に全て持ってくるのかもしれませんが、上の句として1つの作品を公開している以上なにか欲しかった。
 
よく言われているキャスティングについてですが、個人的には特に大きな不満はありませんでした。
これは自分が個々のキャラへのこだわりや思いが薄いからなのでしょうけど。原作を長いこと読み込んできた人ほど「千早はこうだ!」みたいな強いイメージを持っているのでしょうし。
個人的には学内でも目を見張られるほどの美男美女がかるたをやっているというミスマッチ(失礼)が表現できていたので十分だと思ったのですが。
 
尺を削るとしたらどこだったのか。
都大会の途中で机くんがすねるエピソードがありますが、もっと簡単にしてよかったのでは。チームとしての成長のために「仲間を思いやる」必要があって、それを組み込みたかったのはわかります。大会中や戦いの中で成長するシーンを描くのは青春モノでは欠かせないものということもわかります。
しかし、それ以上にやはり背景、過去のエピソードがあまり描かれていないのは残念です。もったいないと思います。競技かるたというこれまであまり描かれてこなかったジャンルなので多くの説明を要求され情報を入れ込む必要があったからなのでしょうか。
無理矢理にでも三部作にした方がよかったのでは。
 
最後に主題歌ですが、タイアップ、それもこういった主題歌をヤスタカに作らせたらさすがだなという感じです。贔屓目もありますが、この映画にあった曲だと思います。早くライブで見たい。
 
下の句ではどのように完結させるのか、上の句では登場しなかったクイーンがどう絡んでくるのか、楽しみです。
 
 
 
 
それにしても映画評論って難しいなあ。こんな文を最後まで読ませちゃってごめんなさい。
みんなも謝るときはごめんなさいを言おうね。